妻の不倫発覚を契機に脱サラ開業

私は55歳、妻は50歳、もうすぐ結婚30年を迎える熟年夫婦です。

子供はいません。

妻の不倫騒動があったのは、今から20年ほど前、お互いに30代前半の時です。

当時、私は会社勤め、妻は飲食店でアルバイトをしていました。

私は土日が休み、妻はローテーションで働いていましたから、休みはまちまち。

つまり、休みが合わないこともめずらしくありませんでした。

これが、妻の不倫の一つの原因になったことはまちがいないでしょう。

いとこから思いもよらない情報が…

妻の不倫の兆候は、私はまったくキャッチできませんでした。

兆候を察知するより先に、「有力情報」が飛び込んできたのです。

それは、私のいとこからの情報でした。

そのいとこは、当時、東京の渋谷にある会社で働いていたのですが、ある平日の昼間、私の妻が年配の男性といっしょに、渋谷にあるラブホテルから出てきたところを「目撃」したというのです。

私が会社で働いている時刻の話です。

いとこはまじめな男で、いい加減なことを言うような性格ではありません。

私とは年も近く、子供のころはよくいっしょに遊んだ間柄で、もっとも信頼できる親類です。

その彼が「まちがいない」というのです。

私は、100％信じました。

妻に不倫の事実を問い詰めたところ

そして、ダイレクトに妻に話をしたのです。

私たち夫婦には子供がいませんから、「返答次第では別れてもいい」という、いわば「不退転の決意」で、妻と直接対決したのです。

妻は、意外なほどあっさり、自分の不倫を認めました。

相手の年配の男性は、アルバイトしている店のお客さんとのこと。

「お客さんに誘われて食事をして、それが重なって、ホテルに誘われた」のだといいます。

つまり「あの時が一度だけの不倫」ということですが、その信ぴょう性には少々疑問を感じています。

ともかく、妻はそれを認め、泣きながら「もうしない」とわびてくれました。

今こそ、長年の夢を叶えるとき

実は、その事件の2年ほど前から、私はひそかに「勤めている会社を辞めて、自営業を始めたい」という夢を温めていました。

ただ、妻との生活があるので、そんな冒険をすることに二の足を踏んでいたのです。

それが、思いもかけない妻の不倫という事件に遭遇し、「夢を実現するのは、今だ！」という気持ちになりました。

妻の不倫の原因の一つが、「すれ違い生活」にあったわけです。

お互いの休日が違ったり、生きるステージに大きなずれがあったことが、妻の不倫の一因になったことはまちがいないでしょう。

脱サラして夫婦二人で自営業を始めれば、少なくてもそんなすれ違いは解消されるはず。

そのことを妻に話し、二人でとことん話し合いました。

そして、その1年後に脱サラ開業したのです。

脱サラしてお店を開業して20年あまり

あれから20年あまり。

現在も、二人で始めた店はなんとか続いていますし、夫婦関係もまずは良好と言っていいででしょう。

私の場合は、妻が素直に不倫を認め、泣いてわびてくれましたし、私自身「脱サラの夢」をもっていましたので、たまたま「結果オーライ」になったのかもしれません。

今考えると、ほんとうはプロの探偵社などに依頼して、妻の素行をチェックした上で、適切な対処法を考えたほうがよかったと思います。

「もしあのとき、妻がシラを切ったら」「妻が逆切れして、妻から別れを言い出されたら」と想像すると、ちょっと冷や汗が出てくるのです。